小説
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『光の帝国・常野物語』
恩田陸著・集英社文庫
不思議な能力を持つ一族の物語です。10の短編からなります。
はじめてこの小説を読んだときの衝撃は忘れません。この作家は何者なんだ?なぜこんな小説が書けるんだ?きっと実際に何かの能力を持っている人に違いない、とまで思いました。そう思わずにはいられない描写力です。今では恩田さんも有名になり、嬉しくもあり、寂しくもありです。
★★★★★
『いま、会いに行きます』
市川拓司著・小学館
やさしさと温かさに満ち溢れた小説です。トツトツとした言葉使いが、また素晴らしい読後感をもたらしてくれます。後半部からは涙なしでは読めません。2回読んで2回とも泣いてしまいました。市川さんの小説は、ほぼすべて読んでいますが、やはりこの小説が一番好きです。
★★★★★
『癒しの旅』
ダン・ミルマン著・徳間書店
日本で出版されたのは「聖なる旅」が先ですが、原書では「聖なる旅」が「癒しの旅」の続編にあたります。風変わりな男・ソクラテスとの出会い、そして学びの日々。心の旅を題材にした小説は、読んでいてとてもワクワクします。
★★★★
『西の魔女が死んだ』
梨木香歩著・新潮文庫
主人公は、生きることにちょっと疲れた女の子。西の魔女とは、少し不思議な能力を持った女の子のお婆ちゃん。
温かな気持ちにさせてくれる小説です。
★★★★
『文鳥・夢十夜』
夏目漱石著・新潮文庫
この文庫は7つの短編からなっていますが、やはり夢十夜がすごいです。一夜につき3ページほどの物語。
短編は短ければ短いほど難しい。しかしわずか3ページでこの感動。偉大すぎる文豪です。
★★★★
『博士の愛した数式』
小川洋子著・新潮社
第一回本屋大賞受賞作品です。私と博士との間のあたたかな触れ合い、そして博士の数字に対する深い愛情。じんわりきます。そして数字というものに対して、少なからず慈しみの心を持つことでしょう。
★★★★
『かもめのジョナサン』
リチャード・バック著・新潮文庫
学びのプロセスとガイド(伝える者・導く者)としてのプロセス。それを表現しようとした小説なのだと思います。愛と勇気、そして強い意志の大切さを学びました。
★★★
『ますらお』
北山耕平 再話・ビイングネットプレス
インディアンの勇者のお話です。本当に強いものの器の大きさ、動じない精神を学びました。
インディアンのお話は素朴さの中に普遍的な力強さを感じます。
★★★★
『注文の多い料理店』
宮沢賢治・角川文庫
宮沢賢治の童話集(9編が掲載)。
代表作、「注文の多い料理店」は、欲深い生活に対する戒めの気持ちが沸き起こります。
童心に戻りたいときに手にしたい一冊。
★★★
『蜘蛛の糸・杜子春』
芥川龍之介・新潮文庫
本物の文学の凄みに触れる1冊。「蜘蛛の糸」は、わずか5ページほどの短編ながら、その情景はまるで映画のよう。圧巻です。芥川が少年少女のために書いた作品集で、心温まる物語に触れることができます。
★★★
『覘き小平次』
京極夏彦著・角川文庫
久しぶりに触れた京極夏彦の世界。やはり凄い。
主な登場人物は6名。彼らそれぞれの微妙な心の揺れと、その揺れが創りだす物語りに、どんどん惹き込まれていく。人が生きることの切なさと悲しさ、その中にほんの一瞬宿る愛の灯とよろこび。そんなものを感じた作品。第16回山本周五郎賞受賞作。
★★★★
『九つの、物語』
橋本紡著・集英社
「若者の繊細な心の動きを、よくこれだけ表現できるものだ」が読後の感想。彼の代表作の一つ「流れ星が消えないうちに」も読んだが、個人的には「九つの、物語」の方が好き。九編の名著にからめたエピソードが秀逸。大人になりたての、純粋な感性を取り戻せそうな一冊。
★★★
『星の順礼』
パウロ・コエーリョ著・角川文庫
ブラジル人作家、パウロ・コエーリョの処女作で自伝的小説。ややキリスト教臭さが鼻につき、パウロ独特の心情描写に少々重たさを感じるが、読後感はとても爽やか。
原題は「魔法使いの日記」。スペインのサンチャゴ巡礼を通し、著者が様々なスピリチュアルな学びを得ていく過程が描かれている。「魔法使い」」になるための様々なワークも紹介されている。
★★★
『人生逆戻りツアー 』
泉ウタマロ著・プレジデント社
自分にとって本当にやりたいことは何だろうか、そんなことを真剣に考えたくなる一冊。そして、そのやりたいことを始めるのは今でも遅くないのだと勇気付けられる一冊でもあります。
シリアスになりがちなテーマですが、笑いあり涙ありで楽しく読ませていただきました。
山川紘矢さん、亜希子さんも推薦。
★★★★